2025-10-29
コラム
虫歯、歯周病、事故など、さまざまな理由で歯を失ってしまうことがあります。「歯が抜けてしまった…どうしよう」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
歯が抜けた場合、主に3つの治療方法があります。インプラント、ブリッジ、入れ歯です。それぞれにメリット・デメリットがあり、費用や治療期間も大きく異なります。この記事では、歯科医師の視点から、各治療方法を徹底的に比較し、あなたに最適な治療方法の選び方を解説します。
アイティーデンタル日暮里では、日本で唯一の先天性欠如に特化したインプラント専門の歯科医院です。
治療法や費用から些細な疑問・不安まで、お気軽に問い合わせください。
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歯を失った場合、放置せずに適切な治療を受けることが大切です。現代の歯科医療では、主に3つの治療方法が提供されています。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
インプラント治療とは、虫歯・歯周病・事故などで失われた歯の部分に、人工の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療方法です。「第三の歯」とも呼ばれ、天然歯とほぼ変わらない機能を提供します。
インプラントは3つの部分から構成されています。まず、顎の骨に埋め込まれる「インプラント体」(人工歯根)があります。これは主にチタン製で、骨と結合する性質があります。次に、インプラント体と人工の歯をつなぐ「アバットメント」(土台)があります。そして最後に、見える部分となる「上部構造」(人工の歯)が装着されます。
インプラント治療が適している人は、顎の骨の量が十分にある方、全身状態が良好な方、長期的な視点で歯の健康を考えたい方などです。また、健康な隣の歯を削りたくないという方にも適しています。
ブリッジ治療とは、歯を失ってしまった場合に両隣の歯を削って「土台」にし、そこに橋(ブリッジ)をかけるように連続した人工の歯を装着する治療法です。固定式のため、入れ歯のような取り外しの手間がなく、違和感も少ないのが特徴です。
ブリッジには大きく分けて2種類あります。保険適用のブリッジは、金属(金銀パラジウム合金)で作られており、費用を抑えることができます。自費診療のブリッジは、セラミックやジルコニアなどの審美性に優れた素材で作られており、見た目が自然で美しい仕上がりとなります。
ブリッジが適している人は、隣の歯が健康で土台として使用できる方、固定式の治療を希望する方、比較的短期間で治療を終えたい方などです。また、外科手術を避けたいという方にも選ばれています。
入れ歯治療とは、失われた歯の部分に取り外し可能な人工の歯を装着する治療法です。1本の欠損から全部の歯が抜けてしまった場合まで対応できる、非常に汎用性の高い治療方法です。
入れ歯には部分入れ歯と総入れ歯があります。部分入れ歯は、残っている歯にバネ(クラスプ)をかけて固定します。総入れ歯は、歯が全くない場合に、歯茎に吸着させる形で装着します。保険適用の入れ歯はレジン(プラスチック)製で、自費診療の入れ歯には金属床義歯やノンクラスプデンチャー(バネのない入れ歯)などがあります。
入れ歯が適している人は、費用を抑えたい方、外科手術を避けたい方、複数の歯を失った方、顎の骨の量が不足している方などです。また、取り外しができるため、お手入れをしっかり行いたいという方にも適しています。

3つの治療方法を表で比較すると、それぞれの特徴がより明確になります。
| 治療方法 | メリット | デメリット | 治療期間 | 寿命 |
| インプラント | ・天然歯に近い機能と審美性 / ・周囲の健康な歯を傷つけない / ・顎の骨の吸収を防ぐ / ・長期的に安定(10年残存率95%以上) / ・違和感がほとんどない | ・外科手術が必要 / ・治療期間が長い / ・費用が高額(自由診療の場合) / ・定期的なメンテナンスが必須 | 3〜6ヶ月 | 10年以上(メンテナンス次第で半永久的) |
| ブリッジ | ・固定式で違和感が少ない / ・天然歯に近い感覚で噛める / ・治療期間が短い / ・保険適用の選択肢がある / ・外科手術が不要 | ・健康な両隣の歯を削る必要がある / ・土台の歯への負担が大きい / ・土台の歯が虫歯や歯周病になるリスク / ・清掃に専用器具が必要 | 2〜4週間 | 7〜8年 |
| 入れ歯 | ・歯を削る量が少ない / ・取り外しができお手入れが簡単 / ・費用が最も安い / ・外科手術が不要 / ・複数本の欠損に対応可能 | ・違和感がある / ・見た目でわかることがある / ・バネをかける歯に負担がかかる / ・審美性に劣る / ・食べ物が挟まりやすい | 2〜4週間 | 4〜5年 |
インプラント治療の最大のメリットは、天然歯に近い機能と審美性を得られることです。独立して治療できるため、周囲の健康な歯を傷つけることがありません。また、顎の骨に人工歯根が埋め込まれることで、噛む力が骨に伝わり、骨の吸収を防ぐ効果があります。
長期的な安定性も大きな魅力です。適切なメンテナンスを行えば、10年後の残存率は95%以上と報告されており、20年、30年と長期間使用できるケースも珍しくありません。違和感がほとんどなく、自分の歯のように使えることも患者さんから高く評価されています。
デメリットとしては、外科手術が必要なこと、治療期間が3ヶ月から6ヶ月と長いこと、自由診療の場合は費用が高額になることが挙げられます。また、治療後も定期的なメンテナンスが必須で、セルフケアを怠るとインプラント周囲炎という炎症が起こる可能性があります。
ブリッジ治療のメリットは、固定式のため違和感が少なく、天然歯に近い感覚で噛めることです。治療期間が2週間から4週間と短く、早く治療を終えたい方に適しています。また、保険適用の選択肢があるため、費用を抑えることも可能です。外科手術が不要な点も、手術に不安がある方には安心材料となります。
デメリットとしては、健康な両隣の歯を削る必要があることが最も大きな問題です。一度削った歯は元に戻すことができません。また、土台となる歯には大きな負担がかかり、10年程度経つと土台の歯が駄目になってしまうケースもあります。ブリッジと歯の境目から虫歯になりやすく、清掃には専用の器具が必要です。
入れ歯治療のメリットは、歯を削る量が最も少なく、取り外しができるためお手入れが簡単なことです。3つの治療方法の中で最も費用が安く、保険適用であれば5,000円から2万円程度で治療できます。外科手術が不要で、複数本の欠損にも対応できる汎用性の高さも魅力です。
デメリットとしては、違和感があることが最も多く挙げられます。特に初めて入れ歯を使用する方は、慣れるまでに時間がかかることがあります。バネが見えてしまうことがあり、審美性に劣る面もあります。また、バネをかける歯には負担がかかり、その歯の寿命が短くなる可能性があります。食べ物が挟まりやすく、食事の際に不便を感じることもあります。
アイティーデンタル日暮里では、日本で唯一の先天性欠如に特化したインプラント専門の歯科医院です。

治療方法を選ぶ際、費用、治療期間、寿命は重要な判断材料となります。それぞれを詳しく比較してみましょう。
| 治療方法 | 保険適用 | 自由診療 |
| インプラント | 原則不可(例外あり)/ 先天性欠如歯6歯以上など | 30万円〜50万円/本 |
| ブリッジ | 約2万円(3割負担)/ 金属素材のみ | 10万円〜30万円 / セラミック、ジルコニアなど |
| 入れ歯 | 5,000円〜2万円(3割負担)/ レジン床 | 10万円〜50万円 / 金属床、ノンクラスプなど |
インプラント治療は基本的に自由診療となり、1本あたり30万円から50万円程度が相場です。
ただし、先天性欠如歯が6歯以上ある場合や、外傷で顎の骨を損傷した場合など、例外的に保険適用となるケースもあります。費用は高額ですが、長期的な寿命を考えると、1日あたりのコストは他の治療方法と大きく変わらないという見方もできます。
ブリッジ治療は、金属素材を使用する場合、保険適用で約2万円程度(3割負担の場合)となります。前歯には白い歯(硬質レジン前装冠)を入れることが認められていますが、奥歯には金属の義歯を使用しなければなりません。審美性を重視してセラミックやジルコニアを選ぶ場合は、自費診療で10万円から30万円程度となります。
入れ歯治療は、3つの治療方法の中で最も費用が安く、保険適用であれば5,000円から2万円程度で治療できます。ただし、保険適用の入れ歯はレジン(プラスチック)製で、厚みがあり違和感を感じやすいという欠点があります。薄くて装着感の良い金属床義歯や、バネのないノンクラスプデンチャーなどの自費診療を選ぶ場合は、10万円から50万円程度となります。
インプラント治療の期間は3ヶ月から6ヶ月程度です。人工歯根を埋め込んだ後、骨とインプラントが結合する「オッセオインテグレーション」という期間が必要になります。下顎の場合は3ヶ月程度、上顎の場合は骨が柔らかいため4ヶ月から6ヶ月程度かかります。骨の量が不足している場合は、骨造成という処置が必要になり、さらに期間が延びることもあります。
ブリッジ治療の期間は2週間から4週間程度と、最も短いのが特徴です。初診時に検査と治療計画の説明を行い、2回目の来院で歯を削って型取り、仮歯を装着します。そして3回目の来院で完成したブリッジを装着し、噛み合わせを調整します。通院回数が少なく、早く治療を終えたい方に適しています。
入れ歯治療の期間も2週間から4週間程度です。型取り、咬合採得(噛み合わせの記録)、試適(仮の入れ歯での確認)、完成した入れ歯の装着という流れで進みます。ただし、入れ歯は装着後に調整が必要になることが多く、快適に使えるようになるまでには数回の調整が必要な場合もあります。
各治療方法の寿命を比較すると、大きな差があることがわかります。
インプラントの寿命は、メンテナンス次第で10年から15年、場合によっては半永久的に使用できます。実際、10年後の残存率は95%以上と報告されており、適切なケアを行えば20年、30年と長期間使用できるケースも珍しくありません。毎日の丁寧な歯磨きと、3ヶ月から6ヶ月ごとの定期検診が長持ちの秘訣です。
ブリッジの寿命は7年から8年が平均とされています。土台となる歯への負担が大きいため、その歯が虫歯や歯周病になると、ブリッジ全体を作り直す必要があります。ブリッジと歯の境目の清掃をしっかり行い、定期検診を受けることで、寿命を延ばすことができます。
入れ歯の寿命は4年から5年程度と最も短いです。入れ歯を支えるバネをかけている歯が悪くなったり、顎の骨の形が変化したりすることで、入れ歯が合わなくなることがあります。合わない入れ歯を使い続けると、歯茎を傷つけたり、噛み合わせが悪くなったりするため、定期的に調整や作り直しが必要です。
残存率のデータを見ると、その差は一層明確になります。6年残存率は、入れ歯が33.3%、ブリッジが77.4%、インプラントが94.7%となっています。長期的に見ると、インプラントの優位性が際立っています。
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「痛くないし、見えない場所だから放っておいても大丈夫」と考えて、歯が抜けたまま放置している方もいらっしゃいます。しかし、歯が抜けたまま放置すると、さまざまな問題が生じます。早めの治療が重要な理由を理解しましょう。
歯が抜けた部分を放置すると、隣の歯が抜けた部分に向かって傾いてきます。また、噛み合う相手の歯(対合歯)が、抵抗がなくなったために伸びてきます。これらの歯の移動により、全体的な歯並びが乱れてしまいます。
歯並びが乱れると、見た目の問題だけでなく、噛み合わせのバランスが崩れ、顎関節に負担がかかります。その結果、顎関節症を引き起こし、口を開けるときに痛みや音がするようになることもあります。
また、歯が移動してしまうと、将来的に治療を行う際に、元の位置に歯を戻すための矯正治療が必要になることがあります。治療が複雑になり、費用も期間もかかってしまうため、早めの対応が重要です。
歯が1本でも失われると、その部分で食べ物を噛むことができなくなります。そのため、他の歯に過度な負担がかかるようになります。特定の歯だけに強い力がかかり続けると、その歯が摩耗したり、破折(折れること)したりするリスクが高まります。
噛み合わせのバランスが崩れると、咀嚼筋(噛むための筋肉)や顎関節にも影響が及びます。片側だけで噛む癖がつくと、顔の筋肉のバランスが崩れ、顔貌の歪みにつながることもあります。
また、正しく噛めないことで、食事の楽しみが減少し、QOL(生活の質)の低下にもつながります。硬いものを避けるようになり、食事の内容が偏ってしまうこともあります。
歯が存在することで、噛む力が顎の骨に伝わり、骨は刺激を受けて維持されています。しかし、歯が失われると、その部分の骨には刺激が伝わらなくなり、骨の吸収(骨が痩せる現象)が進行します。
顎の骨が痩せると、顔の輪郭が変わり、老けた印象を与えることがあります。特に複数の歯を失った場合、顔の下半分が短くなったように見えることがあります。
また、骨の吸収が進行すると、将来的にインプラント治療を行いたいと思っても、骨の量が不足していて治療が困難になることがあります。骨造成という骨を増やす処置が必要になり、治療期間が延び、費用も増加してしまいます。入れ歯の場合も、骨が痩せると入れ歯が安定しにくくなり、何度も作り直す必要が出てきます。
歯を失って正しく噛めなくなると、食べ物を十分に咀嚼できず、胃や腸への負担が増加します。消化不良を起こしやすくなり、栄養の吸収が悪くなることがあります。
また、硬いものが食べられなくなることで、食事の内容が偏り、栄養バランスが乱れます。野菜や肉などを避けて、柔らかい炭水化物中心の食事になると、糖尿病や高血圧などの生活習慣病のリスクが増加します。
さらに注目すべきは、認知症リスクの増加です。日本歯科医師会のプロジェクト研究によると、咀嚼能力が低下すると、認知症のリスクが最大1.9倍に増加することが報告されています。噛むことは脳への血流を増加させ、脳を活性化する効果があります。歯を失うことで、この効果が失われてしまうのです。
咀嚼によってセロトニンという神経伝達物質が分泌されますが、噛めなくなるとその分泌が減少し、ストレスが溜まりやすくなるという研究もあります。
前歯が抜けた場合、特に発音への影響が大きくなります。「サ行」「タ行」「ラ行」などの発音が不明瞭になり、コミュニケーションに支障をきたすことがあります。
仕事で人と話す機会が多い方や、接客業の方にとって、発音の問題は深刻です。相手に聞き返されることが増えたり、自信を持って話せなくなったりすることで、精神的なストレスを感じることもあります。
また、空気が漏れることで、歌を歌ったり、楽器を演奏したりする際にも影響が出ることがあります。
特に前歯が抜けた場合、見た目のコンプレックスとなり、人前で笑顔を見せることをためらうようになる方も少なくありません。マスクが手放せなくなったり、人と会うことを避けるようになったりすることもあります。
見た目の問題は、自己評価の低下や社会的な引きこもりにつながる可能性があります。特に若い世代や、人と接する機会が多い方にとって、審美的な問題は深刻な心理的負担となります。
笑顔は人間関係を円滑にする重要なコミュニケーションツールです。歯が抜けていることで笑顔に自信が持てなくなると、対人関係にも悪影響が及びます。ストレスが蓄積し、うつ状態になるケースさえあります。
これらのリスクを避けるためにも、歯が抜けたら早めに歯科医院を受診し、適切な治療を受けることが重要です。

3つの治療方法のうち、どれが最も良いと一概に言うことはできません。患者さん一人ひとりの状況によって、最適な治療方法は異なります。自分に合った治療方法を選ぶためのポイントを見ていきましょう。
前歯が抜けた場合、審美性が最も重要な要素となります。人と話すときや笑ったときに目立つ部分なので、見た目の美しさを重視する必要があります。この場合、インプラントが最も自然な仕上がりとなります。セラミックを使用したブリッジも、審美性に優れた選択肢です。入れ歯の場合、バネが見えてしまうことがあるため、審美性の面では劣ります。
奥歯が抜けた場合、機能性が重要です。奥歯は咀嚼力の大部分を担っているため、しっかりと噛める治療方法を選ぶ必要があります。インプラントは天然歯と同様の咀嚼力を回復できます。ブリッジも比較的よく噛めますが、土台の歯への負担を考慮する必要があります。入れ歯は、保険適用で費用を抑えられますが、噛む力は天然歯の30%から40%程度に低下します。
1本だけ歯が抜けた場合、インプラント、ブリッジ、部分入れ歯のすべてが選択肢となります。隣の歯が健康で、費用を抑えたい場合はブリッジが選ばれることが多いです。隣の歯を削りたくない、長期的な安定性を求める場合はインプラントが適しています。
複数本の歯が抜けた場合、連続して抜けているか、離れた場所に抜けているかによっても選択肢が変わります。連続して2本から3本抜けている場合、両端にインプラントを埋入し、その間をブリッジでつなぐ方法もあります。離れた場所に複数本抜けている場合、それぞれにインプラントを入れるか、部分入れ歯で一度に補う方法があります。
全部の歯が抜けた場合、総入れ歯が一般的ですが、インプラントを4本から6本埋入して入れ歯を固定するインプラントオーバーデンチャーや、4本から6本のインプラントですべての歯を支えるオールオン4(オールオン6)という選択肢もあります。
若年層の場合、これから何十年も使い続けることを考えると、長期的な安定性が重要です。インプラントは半永久的に使用できる可能性があり、若い方に適しています。ただし、顎の骨の成長が止まる20歳以降が推奨されます。
高齢者の場合、全身状態を十分に考慮する必要があります。糖尿病、高血圧、心疾患、骨粗鬆症などの持病がある場合、インプラントの外科手術にリスクが伴うことがあります。主治医と歯科医師が連携して、安全に治療できるかを判断します。高齢でも全身状態が良好であれば、インプラント治療は可能です。80歳以上でもインプラント治療を受けられるケースは少なくありません。
持病で抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)を服用している場合、外科手術時の出血のリスクがあります。骨粗鬆症の治療でビスフォスフォネート製剤を服用している場合、顎骨壊死のリスクがあるため、慎重な判断が必要です。このような場合、ブリッジや入れ歯が安全な選択肢となります。
予算を最優先する場合、保険適用のブリッジまたは入れ歯が選択肢となります。保険適用のブリッジは約2万円、入れ歯は5,000円から2万円程度で治療できます。初期費用を抑えることができるため、経済的な負担が少ないです。
ただし、長期的なコストを考慮することも重要です。入れ歯の寿命は4年から5年、ブリッジは7年から8年程度です。作り直しのたびに費用がかかります。一方、インプラントは初期費用が30万円から50万円と高額ですが、10年以上、場合によっては半永久的に使用できます。
例えば、30年間使用することを想定すると、入れ歯は6回から7回作り直す必要があり、総額で3万円から14万円程度かかります。ブリッジは3回から4回作り直すと、総額で6万円から8万円程度です。インプラントは1回の治療で30万円から50万円ですが、メンテナンス費用を含めても、長期的には大きな差がないという見方もできます。
また、医療費控除を利用することで、インプラント治療の実質的な負担を減らすこともできます。年間の医療費が10万円を超えた場合、確定申告で所得控除を受けられます。
食事を楽しみたい、しっかり噛みたいという方には、インプラントが最適です。天然歯と同様に、硬いものでもしっかり噛むことができ、食事の制限がほとんどありません。ステーキや煎餅など、硬いものを気にせず食べられることは、QOL(生活の質)の向上につながります。
メンテナンスの手間を減らしたい方には、インプラントまたはブリッジが適しています。固定式のため、取り外しの手間がなく、普通の歯と同じように歯磨きをするだけで済みます。入れ歯の場合、毎日取り外して洗浄する必要があり、手間がかかります。
逆に、取り外しができる方が良いという方もいらっしゃいます。入れ歯は取り外して隅々まで洗えるため、清潔に保ちやすいというメリットがあります。就寝時は外して休みたいという方にも適しています。
スポーツをする方や、人前で話す機会が多い方には、しっかり固定されるインプラントやブリッジが適しています。入れ歯の場合、激しい運動時にずれたり、外れたりする心配があります。また、発音が不明瞭になることがあるため、プレゼンテーションや講演を行う方には不向きな場合があります。

インプラント治療がどのように進むのか、具体的な流れを理解しておくと、治療への不安が軽減されます。ここでは、一般的なインプラント治療の流れを詳しく説明します。
まず、患者さんの悩みや希望を丁寧にお聞きします。「いつ頃歯を失ったのか」「どのような治療を希望しているのか」「予算や期間についての希望はあるか」など、詳しくヒアリングします。
次に、口腔内の診察を行います。欠損部位の状態、残っている歯の状態、歯並びや噛み合わせ、歯茎の状態などを確認します。虫歯や歯周病がある場合は、インプラント治療の前にこれらの治療を行う必要があります。
その後、各種検査を実施します。レントゲン撮影により、顎の骨の状態を確認します。CT撮影では、より詳細な三次元情報を取得し、骨の量や質、神経や血管の走行を精密に調べます。これらの情報をもとに、インプラントを埋入する位置、角度、深さを正確に決定します。
血液検査で全身状態を確認し、手術のリスクを評価することもあります。糖尿病や骨粗鬆症などの持病がある場合、それらをコントロールした上で治療を進める必要があります。
治療計画に基づき、インプラント埋入手術を行います。手術は通常、局所麻酔下で行われます。麻酔が効いているため、手術中に痛みを感じることはほとんどありません。
まず、歯茎を切開して骨を露出させます。次に、専用のドリルで骨に穴を開け、インプラント(人工歯根)を埋め込みます。インプラントを埋入したら、歯茎を縫合します。手術時間は、埋入するインプラントの本数によりますが、1本あたり30分から1時間程度が目安です。
手術は、専用のオペ室で行われます。空気中の細菌を除去するエアクリーナーを備えたクリーンルームで行うことで、感染のリスクを最小限に抑えます。
手術後は、痛み止めや抗生物質を処方します。術後数日間は多少の腫れや痛みが出ることがありますが、通常は痛み止めで対応できる程度です。腫れは2日から3日がピークで、1週間程度で落ち着きます。
インプラント埋入後、骨とインプラントが結合する期間が必要です。この現象を「オッセオインテグレーション」と呼びます。チタン製のインプラントは、骨と直接結合する性質があり、この結合により強固に固定されます。
治癒期間中は、埋入したインプラントに過度な力がかからないよう注意します。仮の歯を装着する場合もありますが、その部分で硬いものを強く噛むことは避けます。
治癒期間の長さは、埋入部位や骨の状態によって異なりますが、一般的に下顎で3ヶ月程度、上顎で4ヶ月から6ヶ月程度です。下顎の骨は硬く密度が高いため比較的早く結合しますが、上顎の骨は柔らかいため時間がかかります。
この期間中も、定期的に通院していただき、治癒の状態をチェックします。問題がなければ、次のステップに進みます。
オッセオインテグレーションが完了したら、歯茎を少し切開して、インプラントの頭の部分を露出させます。そこに「アバットメント」という土台を取り付けます。アバットメントは、インプラントと人工の歯をつなぐ重要な部品です。
アバットメントを装着したら、歯茎の形を整えます。2週間程度で歯茎が安定し、次のステップに進めます。
アバットメントに歯茎が馴染んだら、型取りを行います。精密な印象材を使用して、歯並びや噛み合わせを正確に記録します。この型をもとに、技工所で人工の歯が製作されます。
人工の歯は、セラミックやジルコニアなどの審美性に優れた材料で作られることが一般的です。天然歯に近い色や形態を再現し、違和感のない仕上がりを目指します。
人工の歯が完成したら、試適を行います。形や色、噛み合わせに問題がないか確認し、必要に応じて調整します。すべてが適切であることを確認してから、最終的に装着します。
装着後も、再度噛み合わせをチェックし、微調整を行います。違和感なく快適に使えるよう、細かく調整することが大切です。
インプラント治療は、人工の歯を装着したら終わりではありません。長期的に良好な状態を維持するためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。
メンテナンスでは、インプラント周囲の歯茎の状態、噛み合わせ、人工歯の状態などをチェックします。レントゲン撮影により、骨の状態に変化がないかも確認します。
また、専門的なクリーニングを行い、インプラント周囲の歯垢や歯石を除去します。インプラント周囲炎という炎症を予防するためには、このプロフェッショナルケアが非常に重要です。
メンテナンスの頻度は、患者さんの口腔衛生状態によりますが、一般的に3ヶ月から6ヶ月に1回程度です。問題がなくても、定期的に通院してチェックを受けることをおすすめします。
セルフケアも大切です。毎日の丁寧な歯磨きに加えて、デンタルフロスや歯間ブラシを使用して、インプラント周囲を清潔に保ちましょう。
適切なメンテナンスを継続することで、インプラントを長期的に使用することができます。実際、10年後の残存率は95%以上と報告されており、非常に長持ちする治療法と言えます。
治療法にお悩みの際は、当院(アイティデンタル日暮里)までお気軽にご相談ください。
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歯が抜けた場合の治療について、患者さんからよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
できるだけ早く治療を開始することをおすすめします。放置すると、隣の歯が傾いたり、対合歯が伸びたりして、治療が複雑になります。
抜歯後1ヶ月から2ヶ月以内に歯科医院を受診し、治療計画を立てることが理想です。
特にインプラント治療を検討している場合、抜歯後すぐに治療計画を立てることで、骨の吸収を最小限に抑えることができます。
手術中は局所麻酔を使用するため、痛みを感じることはほとんどありません。麻酔の注射時にチクッとする程度です。術後に多少の腫れや痛みが出ることがありますが、通常は処方された痛み止めで十分に対応できる程度です。多くの患者さんが「思ったより痛くなかった」と感想を述べています。
痛みに対する不安が強い場合は、事前に歯科医師に相談しましょう。静脈内鎮静法を用いて、リラックスした状態で手術を受けることも可能です。
はい、可能です。年齢よりも、全身の健康状態や顎の骨の状態が重要です。糖尿病や骨粗鬆症などの持病がある場合は、主治医と歯科医師が連携して治療計画を立てます。
全身状態が良好であれば、80歳以上でもインプラント治療を受けられるケースは少なくありません。
ただし、服用している薬の種類によっては、手術や骨の治癒に影響を与えることがあるため、必ず歯科医師に伝えてください。
一概にどちらが良いとは言えません。固定式で違和感が少ないのはブリッジですが、健康な歯を削る必要があります。入れ歯は歯を削る量が少なく、費用も抑えられますが、違和感があることが多いです。
欠損の状態、残っている歯の状態、患者さんの希望によって最適な方法が異なります。歯科医師とよく相談して、自分に合った方法を選びましょう。
適切なメンテナンスを行えば、10年以上使用できます。実際、10年後の残存率は95%以上と報告されており、20年、30年と長期間使用できるケースも珍しくありません。
日々のセルフケアと定期的なメンテナンスが長持ちの秘訣です。インプラント周囲炎という炎症を予防するため、毎日の丁寧な歯磨きと、3ヶ月から6ヶ月ごとの定期検診を欠かさないようにしましょう。
いいえ、奥歯でも治療が必要です。奥歯は見えないため軽視されがちですが、噛む力の大部分を担っています。奥歯を失うと、前歯や他の歯に過度な負担がかかり、全体的な歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼします。
また、片側だけで噛む癖がつくと、顎関節症のリスクも高まります。奥歯が抜けた場合も、早めに治療を受けることをおすすめします。
治療の進行状況によっては変更可能な場合もあります。例えば、ブリッジの治療中にインプラントに変更したい場合、すでに歯を削ってしまっていると難しいこともあります。
逆に、インプラントを検討していたが、検査の結果、骨の量が不足していることがわかり、ブリッジや入れ歯に変更するケースもあります。
治療開始前に十分に検討し、納得した上で治療を始めることが大切です。不安や疑問があれば、遠慮なく歯科医師に相談しましょう。
複数の歯が抜けている場合、インプラントと入れ歯の組み合わせ、インプラントオーバーデンチャー、オールオン4など、様々な選択肢があります。欠損の位置や本数、顎の骨の状態、予算などを総合的に考慮して、最適な治療計画を立てます。
例えば、連続して3本の歯が抜けている場合、両端にインプラントを2本埋入し、その間をブリッジでつなぐ方法もあります。この方法なら、3本全てにインプラントを入れるより費用を抑えられます。
歯科医師と相談して、自分に合った方法を見つけましょう。

歯が抜けた場合の治療方法について、詳しく解説してきました。最後に、この記事の重要なポイントをまとめます。
歯が抜けた場合の主な治療方法は、インプラント、ブリッジ、入れ歯の3つです。それぞれにメリット・デメリットがあり、費用・治療期間・寿命が大きく異なります。
インプラントは初期費用が30万円から50万円と高額ですが、長期的には最もコストパフォーマンスが良く、天然歯に近い機能と審美性を得られます。10年残存率は95%以上で、半永久的に使用できる可能性があります。
ブリッジは治療期間が2週間から4週間と短く、固定式で違和感が少ないのが特徴です。保険適用で約2万円と費用も抑えられますが、健康な歯を削る必要があり、寿命は7年から8年程度です。
入れ歯は3つの治療方法の中で最も費用が安く、保険適用で5,000円から2万円で治療できます。外科手術が不要で、複数本の欠損にも対応できますが、違和感があり、寿命は4年から5年と短いです。
歯が抜けたまま放置すると、歯並びの乱れ、噛み合わせの問題、顎の骨の吸収、全身の健康への悪影響など、さまざまなリスクがあります。日本歯科医師会の研究によると、咀嚼能力の低下により認知症リスクが最大1.9倍に増加することも報告されています。
早めの治療が、治療の選択肢を広げ、費用や期間を抑えることにつながります。歯が抜けたら、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。
自分に合った治療方法を選ぶためには、以下のポイントを考慮しましょう。
欠損部位を考慮します。前歯の場合は審美性重視でインプラントまたはセラミックブリッジ、奥歯の場合は機能性重視でインプラントまたはブリッジが適しています。
欠損本数も重要な要素です。1本の欠損であればすべての選択肢が可能ですが、複数本の欠損の場合は部分入れ歯やインプラントの組み合わせなどが適しています。
年齢や全身状態も考慮が必要です。若年層は長期的な安定性を考えてインプラント、高齢者は全身状態を考慮してブリッジや入れ歯が選ばれることもあります。
予算と長期的なコストを比較しましょう。初期費用を抑えたい場合は保険適用のブリッジや入れ歯、長期的なコストパフォーマンスを重視する場合はインプラントが適しています。
ライフスタイルや価値観も大切な判断材料です。食事を楽しみたい方はインプラント、メンテナンスの手間を減らしたい方はインプラントまたはブリッジ、取り外しできる方が良い方は入れ歯を選ぶと良いでしょう。
アイティーデンタル日暮里は、東京・日暮里に位置するインプラント専門クリニックです。院長はスイスに留学してインプラント治療を学び、現在は大学病院のインプラント科の臨床教授と非常勤講師を務めています。日本口腔インプラント学会指導医・専門医として、大学病院レベルの高度な治療を提供しています。
当院の最大の特徴は、日本で唯一の先天性欠如歯に対する特化したインプラント治療を提供していることです。先天性欠如の部位は通常より歯と歯の幅が非常に狭く、インプラントを埋入するスペースの確保が困難ですが、特別に細いインプラントを応用することで、従来インプラント治療を諦めていた患者さんにも治療を可能にしています。
もちろん、一般的な歯の欠損に対するインプラント治療も、高い専門性と豊富な経験をもとに提供しています。歯科用CTによる精密な診断、クリーンルーム完備の安全な治療環境、患者一人ひとりに寄り添った丁寧な対応が特徴です。
「最も大切な人のために 家族と同じ治療を行いたい」という理念のもと、考えられる最善の治療で患者さんの負担や痛みを少なく、長期的により良い状態を保つことができる歯科治療を目指しています。
歯が抜けてしまってお悩みの方、インプラント治療に関心がある方、他のクリニックで「難しい」と言われた方も、ぜひ一度ご相談ください。あなたに最適な治療方法をご提案します。
些細な疑問や不安など、当院(アイティデンタル日暮里)までお気軽にお問い合わせください。
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