歯が生えてこない原因は?先天性欠如歯と埋伏歯の違い|受診タイミングと治療法を専門医が解説

2025-10-29

コラム

「子供の永久歯がなかなか生えてこない」 「乳歯が抜けて半年以上経つけど、まだ永久歯が見えない」 「歯医者で先天性欠如歯と言われたけど、どういうこと?」

このような不安を抱えていませんか。永久歯が生えてこない原因はいくつかあり、中でも先天性欠如歯は10人に1人という高い割合で見られる身近な問題です。

本記事では、歯が生えてこない主な原因、いつ歯医者を受診すべきか、どのような治療法があるのかを、先天性欠如歯治療に特化した専門医の視点から詳しく解説します。

アイティーデンタル日暮里では、日本で唯一の生まれつき歯がない(先天性欠如)に特化したインプラント専門の歯科医院です。

先天性欠如歯やインプラントについてお悩みの際は、お気軽にご相談ください。

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歯が生えてこない主な原因

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永久歯がなかなか生えてこない場合、主に4つの原因が考えられます。それぞれの特徴を理解することで、適切な対応ができるようになります。

以下の表で、歯が生えてこない主な原因を比較してみましょう。

原因特徴歯の有無発生頻度
先天性欠如歯生まれつき永久歯がない歯胚(歯の芽)が形成されない10人に1人(10.1%)
埋伏歯歯が骨や歯茎に埋まっている歯は存在する比較的よくある
スペース不足顎の発育不全で生えるスペースがない歯は存在する増加傾向
その他歯茎が厚い、過剰歯、成長の遅れ歯は存在する(過剰歯除く)ケースバイケース

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

先天性欠如歯(生まれつき永久歯がない)

先天性欠如歯とは、生まれつき永久歯の数が足りない状態のことです。歯の芽(歯胚)が形成されないため、乳歯が抜けても永久歯が生えてきません。

実はこの先天性欠如歯、決して珍しいものではありません。日本小児歯科学会が2007年から2008年にかけて行った全国調査によると、7歳以上の子供15,544人のうち、1,568人(10.1パーセント)に先天性欠如歯が見られました。つまり、約10人に1人の子供が先天性欠如歯を持っているのです。

以下の表で、性別と世代別の発生率を確認してみましょう。

分類カテゴリ発生率
性別女児11.0%
男児9.1%
世代別1985年以前生まれ9.62%
1986-1995年生まれ10.08%
1996年以降生まれ10.50%

女児にやや多い傾向があり、また若い世代ほど増加傾向にあることが分かります。

埋伏歯(歯が骨や歯茎に埋まっている)

埋伏歯とは、永久歯は存在するものの、何らかの理由で顎の骨や歯茎の中に埋まったまま生えてこない状態を指します。先天性欠如歯と異なり、歯そのものは形成されています。

埋伏歯の原因としては、永久歯の位置や方向が正常でない場合、過剰歯(余分な歯)や腫瘍が障害となっている場合、歯を押し出す力が不足している場合などがあります。レントゲン検査を行うことで、埋伏歯かどうかを確認できます。

スペース不足(顎の発育不全)

永久歯は乳歯よりもサイズが大きいため、顎の発育が不十分だと永久歯が生えるスペースが不足することがあります。特に現代の子供は、柔らかい食べ物を好む傾向があり、顎の発育が十分でないケースが増えています。

スペース不足の場合、永久歯は存在するものの、隣の歯が邪魔をして生えてこられない状態になります。この場合、矯正治療でスペースを確保することで、永久歯を正しい位置に誘導できることがあります。

その他の原因(歯茎が厚い、過剰歯など)

生まれつき歯茎が硬く分厚いと、永久歯がなかなか突き破れずに生えてくるのが遅れることがあります。ただし、この場合でも基本的には1年から2年以内には自然に生えてくることがほとんどです。

また、余分な歯(過剰歯)が永久歯の萌出を妨げているケースもあります。過剰歯は特に上顎の前歯部分に発生しやすく、レントゲン検査で発見されます。過剰歯が原因の場合は、それを抜歯することで永久歯が正常に生えてくることがあります。

さらに、歯の成長には個人差があり、単純に永久歯の萌出が遅いだけという場合もあります。早く生えてくる子もいれば、ゆっくり生えてくる子もいるのです。

先天性欠如歯とは|10人に1人が該当する身近な問題

先天性欠如歯について、もう少し詳しく見ていきましょう。これは決して特別な症状ではなく、10人に1人という高い割合で起こる身近な問題です。

先天性欠如歯の定義

先天性欠如歯とは、本来あるべき永久歯が生まれつき欠如している形成異常のことを指します。通常、人間の永久歯は全部で28本(親知らずを除く)ありますが、先天性欠如歯がある人は、この本数が足りません。

1本から2本欠如しているケースが最も多く、多数の歯が欠如しているケースは比較的まれです。ただし、6本以上欠如している場合は、遺伝子や染色体の変異による可能性が高いとされています。

日本の統計データ:10.1パーセントの子供に見られる

先ほども触れましたが、日本小児歯科学会の全国調査によると、日本の子供の10.1パーセントに先天性欠如歯が見られます。これは、クラスに30人の生徒がいれば、そのうち3人が先天性欠如歯を持っている計算になります。

この調査結果は、先天性欠如歯が決して珍しいものではなく、むしろかなり身近な問題であることを示しています。お子さんが先天性欠如歯だと診断されても、過度に心配する必要はありません。適切な治療法があり、多くの子供たちが同じ状況にあることを知っておきましょう。

よく欠如する歯の部位(第二小臼歯、側切歯)

先天性欠如歯には、よく欠如する歯の部位に傾向があります。最も欠如しやすいのは、以下の順番です。

  1. 下顎第二小臼歯(下あごの前から5番目の歯)
  2. 下顎側切歯(下あごの前から2番目の歯)
  3. 上顎側切歯(上あごの前から2番目の歯)
  4. 上顎第二小臼歯(上あごの前から5番目の歯)

第二小臼歯は奥歯に近い位置にあるため、見た目への影響は比較的少ないですが、噛む機能には重要な役割を果たします。一方、側切歯は前歯部分にあるため、欠如すると見た目に影響が出やすい部位です。

男女差と世代間の傾向

先天性欠如歯の発生率には、性別による違いがあります。女児が11.0パーセント、男児が9.1パーセントと、女児の方がやや高い傾向にあります。この理由は明確には解明されていませんが、性別による遺伝子の違いが関係している可能性が指摘されています。

また、世代間の傾向を見ると、1985年以前生まれが9.62パーセント、1986年から1995年生まれが10.08パーセント、1996年以降生まれが10.50パーセントと、徐々に増加傾向にあります。環境要因の変化や、診断精度の向上などが影響している可能性があります。

アイティーデンタル日暮里では、日本で唯一の生まれつき歯がない(先天性欠如)に特化したインプラント専門の歯科医院です。

お電話(03-6806-8828)やLINE、WEB予約フォームでも24時間お問い合わせを受け付けています。

先天性欠如歯の原因

先天性欠如歯がなぜ起こるのか、多くの保護者が気になるところだと思います。現在分かっている原因について解説します。

遺伝的要因

先天性欠如歯の主な原因の一つは遺伝的要因です。特に1本から2本程度の欠如の場合、特定の遺伝子の変異が関係していると考えられています。

家族内で先天性欠如歯が見られる場合、子供にも同様の症状が現れる可能性があります。ただし、必ずしも遺伝するわけではなく、確率の問題です。両親や兄弟姉妹に先天性欠如歯がある場合は、早めにレントゲン検査を受けて確認することをおすすめします。

妊娠中の栄養状態や感染症

妊娠中の母体の栄養状態や、感染症なども先天性欠如歯の原因となる可能性が指摘されています。胎児の歯の芽(歯胚)は、妊娠初期から形成され始めるため、この時期の母体の健康状態が影響すると考えられています。

ただし、妊娠中に特別なことをしたわけでもないのに先天性欠如歯が起こることもあり、必ずしも母親の責任ではありません。過度に自分を責める必要はないということを理解しておいてください。

薬物の副作用

妊娠中に特定の薬物を服用した場合、胎児の歯の形成に影響を与える可能性があります。また、幼児期の薬物治療も、永久歯の形成に影響することがあります。

ただし、医師の指導のもとで適切に使用された薬物が原因となることはまれです。妊娠中や幼児期に薬を服用する必要がある場合は、医師や歯科医師に相談しながら進めることが大切です。

1から2本欠如と多数歯欠如の違い

先天性欠如歯は、欠如している歯の本数によって原因が異なると考えられています。

1本から2本程度の欠如の場合は、特定の遺伝子の変異や、妊娠中の一時的な要因(感染症、薬物の副作用など)が原因であることが多いです。これは比較的よく見られるケースです。

一方、6本以上の多数の歯が欠如している場合は、より広範な遺伝子や染色体の変異によるものだと言われています。この場合、他の身体的な症状を伴うこともあり、より専門的な診断と治療が必要になります。

埋伏歯とは|歯はあるのに生えてこない状態

先天性欠如歯とよく混同されるのが埋伏歯です。両者は全く異なる状態であり、治療法も変わってきます。

埋伏歯の定義と原因

埋伏歯とは、永久歯が何らかの原因で顎の骨や歯茎の中に埋まったまま、生えてこない状態を指します。先天性欠如歯と大きく異なるのは、「歯そのものは存在している」という点です。

レントゲン検査を行えば、埋まっている歯を確認できます。適切な治療を行えば、埋まっている歯を引き出して正しい位置に誘導できる場合もあります。

永久歯の位置や方向の異常

埋伏歯の原因として最も多いのは、永久歯の位置や萌出方向の異常です。永久歯が横向きになっていたり、斜めに傾いていたりすると、正常な方向に生えてこられません。

このような場合、矯正治療で埋伏歯を引っ張り出し、正しい位置に移動させる「開窓牽引」という治療法があります。ただし、歯の位置や角度によっては、治療が困難なケースもあります。

過剰歯や腫瘍による障害

余分な歯(過剰歯)や、嚢胞(のうほう)、腫瘍などが、永久歯の萌出を物理的に妨げていることがあります。特に過剰歯は、上顎の前歯部分によく見られます。

この場合、障害となっている過剰歯や嚢胞を取り除くことで、永久歯が自然に生えてくることがあります。レントゲンやCT検査で原因を特定し、適切な処置を行うことが重要です。

萌出力の不足

歯を押し出す力(萌出力)が何らかの理由で不足している場合も、埋伏歯となることがあります。歯茎が硬く厚い場合や、歯を覆っている骨が厚い場合などに起こりやすいです。

萌出力不足の場合、歯茎を切開して歯の頭を露出させる「開窓」という処置を行い、矯正装置で引っ張り出す治療が行われることがあります。

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いつ歯医者に行くべき?受診のタイミング

「様子を見ていていいのか、すぐに歯医者に行くべきか」悩む保護者の方も多いでしょう。受診の目安となるタイミングを解説します。

赤ちゃんの場合:1歳になっても歯が生えない

赤ちゃんの乳歯が生え始める時期には個人差がありますが、一般的には生後4ヶ月から15ヶ月頃に最初の歯が生えてきます。

もし1歳になっても1本も歯が生えてこない場合は、一度歯科医院を受診することをおすすめします。ただし、多くの場合は単純に成長が遅いだけで、その後正常に生えてくることがほとんどです。

子供の場合:乳歯が抜けて半年以上経過

永久歯への生え変わりについては、より明確な目安があります。乳歯が抜けた後、通常は3ヶ月程度で永久歯が生えてきます。

3ヶ月以上かかっても問題はありませんが、乳歯が抜けて半年経過しても永久歯が生えてこない場合は、歯医者を受診してください。レントゲン検査で、永久歯があるのか、ある場合はどこにあるのかを確認できます。

半年という目安は覚えやすく、また適切なタイミングです。早すぎる受診は無駄になることもありますが、半年待てば、何らかの問題がある可能性が高いと判断できます。

レントゲン検査で早期発見できること

レントゲン検査、特にパノラマX線写真(口全体を撮影するレントゲン)を撮ることで、以下のことが分かります。

まず、永久歯の歯胚(歯の芽)があるかどうかを確認できます。歯胚がなければ先天性欠如歯と診断されます。歯胚がある場合は、その位置や方向、発育状況を確認できます。

また、過剰歯や嚢胞など、萌出を妨げている障害物の有無も分かります。これらの情報をもとに、今後の治療方針を立てることができます。

定期検診の重要性

先天性欠如歯や埋伏歯の早期発見には、定期的な歯科検診が非常に重要です。日本小児歯科学会では、7歳から8歳頃に全体的なレントゲン撮影を行うことを推奨しています。

この時期は、多くの永久歯の歯胚が形成されているため、先天性欠如歯があるかどうかを確認できます。早期に発見することで、以下のようなメリットがあります。

早い段階から長期的な治療計画を立てられること、矯正治療の最適なタイミングを逃さないこと、保護者と本人が心の準備ができること、そして乳歯を大切にする意識が高まることです。

特に先天性欠如歯がある場合、その下の乳歯は永久歯に生え変わることがないため、できるだけ長く使えるように虫歯予防などのケアが重要になります。早期発見により、このような対策を早くから始められます。

歯が生えてこない場合の治療法

永久歯が生えてこないと診断された場合、どのような治療法があるのでしょうか。年齢や状況に応じて、さまざまな選択肢があります。

経過観察(自然萌出を待つ)

レントゲン検査で永久歯の存在が確認でき、特に障害がない場合は、まず経過観察を選択することが多いです。永久歯の萌出には個人差があり、少し遅れているだけという可能性もあるためです。

3ヶ月から6ヶ月ごとに定期的にチェックし、永久歯が生えてくる兆候があるか確認します。この間、特別な治療は行わず、様子を見ます。

ただし、長期間待っても変化がない場合や、明らかに萌出が妨げられている場合は、他の治療法を検討します。

矯正治療で隙間を閉じる

先天性欠如歯で永久歯が1本から2本程度欠如している場合、矯正治療で歯を移動させ、隙間を閉じることができる場合があります。

特に第二小臼歯(前から5番目の歯)が欠如している場合、奥の歯を前に移動させて隙間を埋めることができます。この方法のメリットは、自分の歯だけで治療が完結し、将来的なメンテナンスが不要であることです。

ただし、歯の移動距離が大きい場合や、噛み合わせのバランスを考えると難しい場合もあります。矯正歯科医による詳細な診断が必要です。

乳歯を大切に保存する

先天性欠如歯がある場合、その下の乳歯が抜けずに残ることがあります。乳歯は本来、永久歯に生え変わるために寿命が短いのですが、永久歯がない場合は意外と長く機能することがあります。

20代から40代まで乳歯を使い続けているケースもあります。虫歯や歯周病に注意しながら、大切に使うことで、費用をかけずに自分の歯で過ごせる期間を延ばせます。

ただし、乳歯は永久歯より小さく、徐々に歯根が吸収されて動揺してくることもあります。いずれは抜ける可能性が高いため、その時に備えて治療計画を立てておくことが大切です。

ブリッジ治療

乳歯が抜けた後、または成人後に永久歯の欠損部分を補う方法として、ブリッジ治療があります。ブリッジとは、欠損部分の両隣の歯を削って土台とし、連結した人工歯を被せる治療法です。

保険適用のブリッジであれば、比較的安価に治療できます。また、固定式なので取り外しの手間がなく、違和感も少ないというメリットがあります。

デメリットは、健康な両隣の歯を削る必要があること、土台となる歯に負担がかかること、そして将来的に土台の歯に問題が生じる可能性があることです。また、若いうちから健康な歯を削ることには慎重になるべきでしょう。

部分入れ歯

取り外し式の部分入れ歯も選択肢の一つです。保険適用であれば費用を抑えられ、両隣の歯をほとんど削らずに済みます。

また、成長期の子供の場合、顎の成長に合わせて入れ歯を調整できるという利点もあります。インプラント治療を受ける年齢になるまでの暫定的な処置として使用することもあります。

デメリットは、取り外しの手間があること、違和感が大きいこと、見た目で金属のバネが見える場合があることです。また、バネをかける歯に負担がかかるという問題もあります。

インプラント治療

成人後、顎の成長が完了してから選択できる治療法として、インプラント治療があります。インプラントとは、人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。

インプラント治療の最大のメリットは、両隣の歯を削る必要がなく、天然歯とほぼ同等の噛む力を回復できることです。見た目も自然で、適切なメンテナンスを行えば長期間使用できます。

デメリットは、治療費が高額であること(1本あたり30万円から40万円程度)、手術が必要であること、治療期間が長いこと(数ヶ月から1年程度)などです。

また、インプラント治療は顎の成長が完了してから行う必要があるため、一般的には20歳以降が適しています。それまでは、矯正治療や乳歯の保存、暫定的な入れ歯などで対応することになります。

治療法についてお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。

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年齢別の最適な治療アプローチ

先天性欠如歯の治療は、年齢によって適した方法が異なります。成長段階に応じたアプローチを理解しておきましょう。

小学生から中学生:矯正治療中心

小学生から中学生の時期は、成長を利用した矯正治療が中心となります。この時期は顎の骨がまだ柔らかく、歯の移動がしやすいため、矯正治療に最適な時期です。

先天性欠如歯による隙間を矯正治療で閉じる、または将来的にインプラント治療を行うためのスペースを確保するなど、長期的な治療計画に基づいた矯正を行います。

また、乳歯を大切に保存しながら、定期的に経過観察を続けることも重要です。この時期の治療方針が、将来の治療の選択肢を大きく左右します。

高校生から20代前半:成長を見極めて治療選択

高校生から20代前半は、顎の成長がほぼ完了する時期です。ただし、個人差があり、女性は18歳頃、男性は20歳頃まで成長が続くこともあります。

この時期には、成長の完了を見極めながら、最終的な治療方法を選択していきます。矯正治療で隙間を閉じる治療が継続中であれば、それを完了させます。

また、乳歯の状態を評価し、まだ使えるようであれば保存を継続します。乳歯が抜けそうな場合は、暫定的な入れ歯やブリッジを検討することもあります。

20代以降:インプラント治療が選択肢に

20代以降、顎の成長が完全に止まってからは、インプラント治療が本格的な選択肢となります。インプラント治療は顎の骨に人工歯根を埋め込むため、成長期に行うと、顎の成長に伴って埋め込んだ位置がずれてしまう可能性があります。

そのため、成長が完了してからの治療が推奨されます。インプラント治療を選択する場合は、CT検査などで骨の状態を詳しく調べ、治療計画を立てます。

特に先天性欠如歯の部位は、通常よりも歯と歯の幅が狭いことが多く、インプラント埋入が困難なケースもあります。先天性欠如歯に特化した経験豊富な歯科医師に相談することが重要です。

成長期に応じた治療計画の重要性

先天性欠如歯の治療で最も大切なのは、目先の治療だけでなく、10年後、20年後を見据えた長期的な治療計画を立てることです。

小学生の時期にどのような矯正治療を行うか、乳歯をいつまで保存するか、最終的にどのような補綴治療(インプラント、ブリッジなど)を選択するか、これらを総合的に考える必要があります。

年齢に応じた適切なアプローチを取ることで、将来の治療の選択肢を広げ、最良の結果を得ることができます。

先天性欠如歯のインプラント治療|保険適用の条件

先天性欠如歯のインプラント治療について、保険が使えるケースがあることをご存知でしょうか。ただし、条件は厳しく限られています。

6歯以上欠損で保険適用(2020年改定)

2020年4月の診療報酬改定により、先天性に永久歯が6歯以上欠如している場合、インプラント治療が保険適用の対象となりました。さらに2024年の改定では、欠如歯が連続していなくても適用可能になりました。

これは、多数の歯が欠如している患者にとって朗報です。ただし、1本から2本程度の欠如では保険適用されず、自費診療となります。

保険適用の条件と対象施設

保険適用のインプラント治療を受けるには、患者側の条件だけでなく、医療機関側の条件も厳しく定められています。

医療機関の条件としては、病床数20床以上の「病院」であること、歯科または歯科口腔外科を標榜していること、歯科または口腔外科で5年以上の経験を持つ常勤医師が2名以上配置されていること、インプラント治療の経験が3年以上ある常勤医師が2名以上配置されていること、当直体制が整備されていることなどがあります。

これらの条件を満たすのは、主に大学病院や大規模な総合病院に限られており、一般的な歯科医院では保険適用の治療は提供されていません。

保険適用インプラントの種類

保険適用のインプラント治療は「広範囲顎骨支持型装置」と呼ばれ、一般的な1本ずつのインプラント治療とは異なります。

複数のインプラントを埋入し、その上に取り外し可能な義歯(入れ歯)タイプ、またはブリッジタイプの装置を装着する形式です。欠如している歯すべてに個別にインプラントを埋め込むわけではありません。

自費診療の場合の費用相場

先天性欠如歯が1本から2本程度の場合、ほとんどが自費診療となります。自費診療のインプラント治療の費用相場は、1本あたり30万円から40万円程度です。

検査・診断費用、手術費用、インプラント体、上部構造(人工歯)のすべてを含めた総額です。クリニックや使用する材料によって費用は変動しますが、この範囲が一般的です。

一方、保険適用の場合は、治療費は数十万円程度となり、さらに高額療養費制度を利用することで、自己負担額を約10万円程度まで軽減できる場合があります。

保険適用や費用についてお悩み方は、お気軽にお問い合わせください。

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先天性欠如歯を放置するリスク

先天性欠如歯が見つかっても、すぐに治療が必要とは限りません。しかし、長期間放置すると様々な問題が生じる可能性があります。

噛み合わせの悪化

歯が1本でも欠けていると、噛み合わせのバランスが崩れる可能性があります。特に奥歯が欠如している場合、片側で噛む癖がついたり、顎関節に負担がかかったりすることがあります。

噛み合わせが悪化すると、顎関節症の原因となることもあります。口が開きにくい、顎が痛い、カクカク音がするなどの症状が現れることがあります。

他の歯への負担増加

歯が欠けていると、残っている歯に通常以上の負担がかかります。特に両隣の歯は、欠損部分をカバーするために過剰な力を受けることになります。

これにより、健康な歯が傷んだり、歯周病が進行しやすくなったりするリスクがあります。また、対合する歯(噛み合う相手の歯)が伸びてきてしまうこともあります。

顎の発育への影響

成長期の子供の場合、歯の欠損が顎の発育に影響を与える可能性があります。歯があることで顎の骨は適切に刺激され、正常に成長します。

歯が欠如していると、その部分の骨が十分に発育しないことがあります。これは、将来インプラント治療を行う際に、骨の量が不足するという問題につながる可能性があります。

審美的な問題と心理的影響

特に前歯部分に歯が欠如している場合、見た目の問題が生じます。隙間が目立つことで、笑顔に自信が持てなくなる、人前で話すのが嫌になるなど、心理的な影響が出ることもあります。

思春期は特に見た目を気にする時期です。適切なタイミングで治療を行うことで、こうした心理的な負担を軽減することができます。

アイティーデンタル日暮里の先天性欠如歯治療

東京・日暮里にあるアイティーデンタル日暮里は、先天性欠如歯治療に特化した専門クリニックです。他の歯科医院では難しいと言われたケースでも、治療の可能性を探ることができます。

日本で唯一の先天性欠如歯特化クリニック

アイティーデンタル日暮里の最大の特徴は、日本で唯一、先天性欠如歯に特化したインプラント治療を提供していることです。

先天性欠如歯の患者は、通常のインプラント治療とは異なる特別な配慮が必要です。歯と歯の幅が非常に狭い、顎の骨の発育が不十分など、通常のインプラント治療では対応できない課題があります。

当院では、こうした先天性欠如歯特有の問題に対応するための専門的な知識と経験を蓄積しています。多くの先天性欠如歯の患者を診てきた実績があり、同じ悩みを持つ方々に最適な治療を提供しています。

特別に細いインプラントで狭いスペースにも対応

先天性欠如の部位は、通常より歯と歯の幅が非常に狭く、インプラントを埋入するスペースの確保が困難でした。従来は「スペースが足りないのでインプラントは無理」と諦めざるを得ないケースも多くありました。

しかし、アイティーデンタル日暮里では、特別に細いインプラントを応用することで、狭いスペースにもインプラントを埋入できるようになりました。これにより、従来インプラント治療を諦めていた患者にも、治療の可能性が広がりました。

他の歯科医院で「難しい」と言われた方でも、一度相談してみる価値があります。

大学病院臨床教授による専門的診断

アイティーデンタル日暮里の院長は、スイスに留学してインプラント治療を学び、現在は大学病院のインプラント科の臨床教授と非常勤講師を務めています。

日本口腔インプラント学会の指導医・専門医が在籍しており、大学病院レベルの専門的な治療を、より通いやすい環境で受けることができます。豊富な経験と高い技術力により、安全で質の高いインプラント治療を実現しています。

最新の知識と技術に基づいた治療を提供できることは、患者にとって大きな安心材料です。

歯科用CTによる徹底した治療計画

アイティーデンタル日暮里では、インプラント治療前に必ず歯科用CTを撮影し、顎の骨、神経や血管の情報を3次元で把握した上で治療を行っています。

通常のレントゲン撮影に加えて歯科用CTや口腔内写真を活用し、患者一人ひとりに最適で確実なインプラント治療計画を立てています。治療前には必ず患者との対話を行い、悩みに寄り添うことを心がけています。

徹底した診断により、リスクを最小限に抑え、安全なインプラント治療を実現しています。特に成長期の子供や若い患者の場合、将来を見据えた長期的な治療計画が重要です。

年齢に応じた長期的なサポート体制

先天性欠如歯の治療は、一度で終わるものではありません。子供の時期から成人後まで、長期的なサポートが必要です。

アイティーデンタル日暮里では、小学生の時期には矯正治療や経過観察を行い、成長期には適切なタイミングでの介入を提案し、成人後にはインプラント等の永続的な治療を提供するなど、年齢に応じた最適なアプローチを取ります。

10年後、20年後を見据えた治療計画を立て、患者の成長とともに寄り添い続ける体制が整っています。

無料相談・カウンセリング実施中

アイティーデンタル日暮里では、先天性欠如歯やインプラント治療を検討している方向けに、無料相談・カウンセリングを実施しています。

「子供の歯が生えてこなくて不安」「先天性欠如歯と言われたけど、どうすればいいの?」「他の歯医者で難しいと言われた」など、どんな悩みでも気軽に相談できます。

専門医が丁寧に診察し、現在の状態を説明し、今後の治療の選択肢を提案します。セカンドオピニオンとしての相談も歓迎しています。

クリニックの理念として「最も大切な人のために 家族と同じ治療を行いたい」を掲げており、考えられる最善の治療で患者の負担や痛みを少なく、長期的により良い状態を保つことができる歯科治療を目指しています。

お電話(03-6806-8828)やLINE、WEB予約フォームでも24時間お問い合わせを受け付けています。

まとめ:歯が生えてこない不安は専門医に相談を

永久歯が生えてこないという悩みは、決して珍しいものではありません。本記事の内容をまとめます。

10人に1人は先天性欠如歯

日本小児歯科学会の調査によると、日本の子供の10.1パーセント、つまり約10人に1人が先天性欠如歯を持っています。お子さんが先天性欠如歯だと診断されても、過度に心配する必要はありません。

多くの子供たちが同じ状況にあり、適切な治療法があります。まずは正しい情報を得て、冷静に対応することが大切です。

早期発見・早期対応が重要

先天性欠如歯や埋伏歯は、早期に発見することで治療の選択肢が広がります。7歳から8歳頃にレントゲン検査を受けることで、永久歯の状態を確認できます。

早期発見により、矯正治療の最適なタイミングを逃さない、乳歯を大切にする意識が高まる、長期的な治療計画を早くから立てられるなどのメリットがあります。

乳歯が抜けて半年以上経っても永久歯が生えてこない場合は、歯科医院を受診してください。

年齢に応じた適切な治療法がある

先天性欠如歯の治療は、年齢によって適した方法が異なります。子供の時期には矯正治療や乳歯の保存、成長期には経過観察と適切なタイミングでの介入、成人後にはインプラント治療など、段階的なアプローチが重要です。

一つの治療法にこだわるのではなく、年齢や状況に応じて最適な方法を選択することで、長期的に良好な結果を得ることができます。

専門的な治療ができるクリニックの選び方

先天性欠如歯の治療、特にインプラント治療を検討する場合は、この分野に経験豊富な歯科医師を選ぶことが重要です。

日本口腔インプラント学会の専門医や指導医の資格を持っているか、先天性欠如歯の治療実績が豊富か、CT検査など充実した診断設備があるか、長期的なサポート体制が整っているかなどを確認しましょう。

アイティーデンタル日暮里では、先天性欠如歯に特化した専門的なカウンセリングを無料で受けることができます。「Your Smile. Our Passion.」をモットーに、すべての患者と丁寧に向き合い、最適な治療を提案しています。

歯が生えてこない不安を抱えている方、先天性欠如歯と診断されて今後どうすればいいか悩んでいる方は、ぜひ一度専門医に相談してみてください。笑顔で楽しく食事ができる生活を取り戻すお手伝いをいたします。

些細な不安や疑問など、お気軽に当院(アイティーデンタル日暮里)までご相談ください。

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